Thursday, May 13, 2010

ジャパンナイト―日本映画を見よう!!

 みなさん、こんにちは。今月もやって参りましたジャパンナイト!!
今回も前回と同様に、場所はアムステルダムの酒バー「SAKE&CO」をお借りしてのイベントとなりましたが、内容は前回とは一味違うものをお送りすることができました。

というのも、前回のブログで予告させていただいたとおり、ジャパンナイトも今回から毎回違ったテーマを設定して、みなさんと楽しむという形にしたからなんです。

 そして、記念すべき初回のテーマは、タイトルにもありますように、「みんなで日本映画を見よう!」としました。 前回「SAKE&CO」にお邪魔して、お店に大きなスクリーンがあることを発見した私たちは、このスクリーンでみんなで日本映画を見て、それについて語り合ったら面白いのではないか?と思い立ち、それ以来準備を進めて、今回の映画上映会へと漕ぎ着けたわけです。
 
 しかし、「日本映画の上映」と決めてはみたものの、悩まされたのがその映画のチョイスでした…。「黒澤映画」や「北野映画」ではあまりにありきたりで、日本好きの参加者のみなさんは既に見ている確率が高い…。一方で、あまりにコアなものだと特に映画好きというわけではない方々は退屈してしまうだろう…。と、映画のチョイスには本当に頭を悩ませました。

いろいろと考えた末、私たちが求めたのは、観光地で言えば東京・京都・大阪ではないが、一見の価値はあるような、しかし沖縄のような特殊な存在でもない、いうなれば仙台くらいのところであったわけなのですが…。
 あいにく、ヨーロッパ生活が長い打谷は日本映画には詳しくなく、代わりのこの大役(大げさ)を担ったのは、毎週末TUTAYAに通うことを日課としていた、ザ・インドア!!のワタクシメだったわけです。
そして、私がさらに熟考し、初めての映画上映に最適な仙台的映画(?)として選ばせていただいたのが、日本アカデミー作品賞も受賞している名作青春コメディ「スウィング・ガールズ」です!!!


 みなさんもご存知ですよね。
 この作品は、「のだめ」でお馴染みの上野樹里ちゃんを主演にむかえ、東北(おそらく山形)の片田舎の女子高校生が、ジャズバンドに青春を捧げる姿を描いたコメディ映画です。簡単に言えば「ウォーターボーイズの女子版」のような映画なんですが、実際、監督も同じ方なんですよね。なので「ウォーターボーイズ」同様、竹中直人などの個性派脇役陣が多く登場しますし、そうした個性派な役者さんたちの演技と、女子高校生たちのバリバリの東北弁でのやりとりが大いに笑いを誘う、心温まる作品になっております。
 たくさんの仙台映画候補(笑)の中から私がこの映画を選んだのは、映画に登場する田舎の田園風景や学校の授業風景、高校野球の大会、部活動の練習、セーラー服にジャージといった現代日本のリアルな生活風景が、私たちが外国の皆さんに一番伝えたい「本当の日本の姿」だと思ったからです。
こうした情景は、時代劇が多い黒澤映画や、特殊な人たちにスポットを当てがちな北野映画ではなかなか味わえない「日本」なのではないでしょうか。(ましてや、殺伐とした東京へのエキゾチズムばかりを描く外国人監督の映画や、海外の一部のコアな日本映画ファンが好む非現実的でバイオレンスな三池映画などでは決して知ることの出来ない「日本」ですよね。)
こうした映画で描かれているやけにエキセントリックな日本に違和感を感じる私は、このスウィングガールズを通して、私たち日本人にとってもっと身近な日本の姿も、外国の皆さんにもぜひ知ってもらいたい!とこの映画を選んだわけなんです。
 そして実際、この映画が描く温かくてユーモラスな日本の姿を皆さんに楽しんでいただけたようでした。

 また、心配していた「日本の笑いが通じるのか」という問題も、観客のみなさんの反応を見た限り心配無用で、ヨーロッパ・中東・アジアのみなさんにもしっかり伝わっていたようで安心しました。
上映後には「面白い映画」だったという意見を多く頂きましたし、観たことがあるというお客さんが一人もいなかったのも私たちの狙い通りで、今回の映画上映の試みは大成功だったと言えると思います!!
 上映後はいつもどおり、みなさんで料理とお酒を楽しみながらおしゃべり。一層交友を深めていらっしゃっていたようです。
 さて、次回はどんなテーマになるか、みなさん楽しみに待っていてください。(悠香)

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